鳩待峠〜尾瀬ヶ原〜鳩待峠

 

至仏山と燧ケ岳を前後に見比べながら、尾瀬ヶ原の周囲の山々を映す池塘郡の中を広々とした空間に身を浸して歩く人気コース。
木道を進むにつれて変化するパノラマの雄大さに圧倒される思いがする。
春夏秋、それぞれの季節ごとに異なった美しい景色を見せてくれる。いつ訪れても、期待を裏切られることが無い。

5月下旬〜6月にはミズバショウの群生、夏は色とりどりの草花、秋は木々の紅葉と草紅葉が楽しめる。

 

鳩待峠からのウォーキングコース

  1. 3時間コース:
    鳩待峠〜ヨセ沢橋〜テンマ沢〜川上橋〜山ノ鼻〜山ノ鼻周辺散策〜山ノ鼻(折り返し)〜鳩待峠 8〜9km


  2. 5〜6時間コース:
    鳩待峠〜山ノ鼻〜山ノ鼻周辺散策〜牛首分岐〜竜宮十字路〜(尾瀬ヶ原を中央を横断して)〜ヨッピ橋〜拠水林〜牛首分岐〜山ノ鼻〜鳩待峠 17km


  3. 7〜8時間コース:
    鳩待峠〜山ノ鼻〜山ノ鼻周辺散策〜川上川〜牛首分岐〜(尾瀬ヶ原をぐるりと一周する)〜竜宮十字路〜六兵衛堀〜下田代十字路(見晴十字路)〜見晴〜赤田代分岐〜東電小屋〜ヨッピ橋〜拠水林〜牛首分岐〜川上川〜山ノ鼻〜鳩待峠 20km 

 

尾瀬ヶ原ウォーキングマップ

山の鼻から先の尾瀬ヶ原は平坦な木道を歩く。ミズバショウ開花時は鳩待峠〜山ノ鼻〜牛首分岐間の混雑が特にひどく、木道に人があふれ、通常の3〜4倍の時間がかかることもある。

鳩待峠は標高1591m。尾瀬ヶ原からの帰路、鳩待峠へは約200mの標高差を登る。山歩きに慣れていない人、疲労がたまっている場合は、喘ぎながら登ることになる。帰路の計画には、体力や時間に十分な余裕をもたせましょう。

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戸倉〜鳩待峠のアプローチ。

交通規制のため大型バスは鳩待峠まで乗り入れできない。戸倉で関越観光バスのマイクロバスに分乗する。

マイカー規制も行われている。

マイクロバスへの乗換え場所を確認する。通常、「戸倉スキー場駐車場」で乗り換える。関越観光バス事務所(大清水と鳩待峠との分岐点手前、進行方向右手)でマイクロバスの支払いを済ませる。ピ−ク時にはマイクロバスに乗るために、数時間鳩待峠駐車場で待つこともある。

東京・横浜出発のマイクロバス(25〜28人乗り)利用のツアーは、戸倉での乗換えを行わず、そのまま、鳩待峠まで。

尾瀬ヶ原では、山ノ鼻ビジターセンターと山小屋の他にトイレは無い。鳩待峠に到着後、トイレを済ませておくのが良い。トイレは売店の裏にある。無料で利用できるが、募金箱に100円を納入しましょう。

鳩待峠休憩所は大きく、入浴ができる。6:00〜18:00までオープン。飲み物や土産品販売あり。

鳩待峠の小屋 尾瀬の標識

 

鳩待峠〜山ノ鼻 :60〜80分 3.3km

木立の中のやや急な下り道。標高差200mを下る。石段、山道、木の階段、木道があり。木道は雨が降ると滑りやすいので要注意。
木々の間から、左手に至仏山を見ながら下る。春の至仏山は残雪模様が美しい。
坂道を下りきると川上川が左手に開け、道は右に折れる。渓流を見ながら、ここで一休みするのも良い。
この先、木道は平坦になり、木立の中を進む。
ヨセ沢、テンマ沢にかかる小橋を渡ると、小さな湿原が現れる。このあたりは尾瀬で最も早く(5月中旬〜6月中旬)ミズバショウが咲く。
川上川の流れを横切る川上橋を渡ると、山ノ鼻ビジターセンター前の広場に到着。山小屋が立ち並び、人々が休息を取っている。木立の隙間から山々が見え隠れしている。

山ノ鼻ビジタ−センター前には水場が、裏にトイレがある。この先は、竜宮小屋、下田代十字路、東電小屋までトイレは無い。トイレでは、100円の寄金を忘れずに箱に入れましょう。

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山ノ鼻周辺

山ノ鼻は尾瀬ヶ原ウォーキングの始点。
山ノ鼻ビジタ−センター前広場から左方向へ木道が始まり、木立の先の開けた湿原の中を至仏山の山裾に向って木道が一直線に延びている。至仏山が目前に大きく聳え立ち、初夏までは残雪模様が、秋には紅葉が美しい。
春の陽光下、湿原の白いミズバショウと白樺の並木が空の青さに溶け込んでいる景色の中にいるだけで至福の時を味わえる。

山ノ鼻ビジタ−センタ−前を右に折れ、山小屋前を左に折れる木道を進むと、尾瀬ヶ原入り口の湿原で木道が大きく右にカーブする。
木道左側は至仏山などを背景にした疎林のミズバショウの群生が美しい。右側は尾瀬湿原の空間が木々の向こうに山並みが連なって見える。
木道を進み、川上川を渡り雑木林を抜けると、目前に上田代の湿原が広がり、尾瀬ヶ原の大パノラマが展開する。思わず息を呑む感動の一瞬だ。
鳩待峠への道路を開門時間・午前5時に入山した場合、山ノ鼻あたりで6時30分〜7時頃になり、朝靄が深く立ち込めている。周辺の景色が靄に溶け込んで浮かび、幻想的な美しさ静けさの中に鳥の声が響いている。

時間に余裕が無い場合、山ノ鼻周辺の景色を見て鳩待峠に戻ることになるが、それでも尾瀬を十分堪能した気持ちになれる。

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山ノ鼻〜牛首〜牛首分岐(三叉) 40〜50分 2.2km

尾瀬ヶ原は3つに区分され、上田代(かみたしろ)、中田代(なかたしろ)、下田代(しもたしろ)と呼ばれる。それぞれ植生、景色に特徴がある。早朝の霧の中に浮かぶ景色は荘厳・幽玄そのもの。

上田代の木道は左右の池塘が周囲の山並みを映している。秋の山々の紅葉を映した池塘の美しさは筆舌に尽くし難い。上田代のはずれでは右手の池塘の中に浮島が見える。
上大堀川に掛かる橋を渡り、ここより先が「中田代」になる。上大堀川先の右手の小さな丘が牛首。木道が遥か遠くの燧ケ岳に向って延びている。
牛首分岐で木道が三又(みつまた)分岐する。牛首三又を右へ進むと竜宮十字路〜下田代十字路〜尾瀬沼へ、左に行くと拠水林〜ヨッピ吊り橋〜東電小屋〜赤田代へ。牛首分岐標識前は小休止ベンチがある。

牛首分岐から竜宮十字路に向って進む中田代左側の湿原には7月上旬にワタスゲ咲く。右は湿原の向こうに山並みが連なっている。秋の山並みは紅葉が美しい。
進行方向には燧ヶ岳、後方には至仏山が大きく見える。

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牛首分岐(三又)〜竜宮十字路 40〜45分 2.0km

牛首分岐からで竜宮十字路に到る広々とした空間を、遥か遠くの燧ケ岳を正面に見て進む。

下の大堀川を渡り、蛇行する川沿いに木道を進むとミズバショウやニッコウキスゲ、シラカバ等を鑑賞できる。水辺では野鴨の親子を見ることもある。
この付近の景色は尾瀬へ誘う観光ポスターによく登場する場で、どこを切り取っても美しい絵になる光景が連なる。

竜宮カルストが見られる場所がある。
これは高層湿原を形成する泥炭層の下に水路ができたもので、流れが地下に消えてしまう。雪解け時期には水が渦巻き状に流れ込む様子が見られる。

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竜宮十字路〜ヨッピ吊り橋 30〜40分 1.5km

竜宮十字路は牛首分岐〜下田代十字路の木道と、標高1900mのアヤメ平・富士見田代から山道を下ってくる長沢新道〜ヨッピ橋への木道が交差する文字通りの十字路・交差点。休憩ベンチがある。秋は、長沢新道入り口の木々の紅葉が美しい。

燧ケ岳に向う木道を竜宮十字路で左折すると、木道は尾瀬ヶ原中央を横断してヨッピ吊り橋へと真っ直ぐに続く。
左側は、広々とした草原に白樺の木々がアクセントをつけ、その向こう遠くに至仏山のパノラマが展開する。
右側も同じく、広々とした草原に白樺の木々がアクセントをつけ、燧ケ岳が迫って見える。 夏の青空の下で歩くと開放感に浸される。

この木道では、ヤマドリゼンマイ、タテヤマリンドウなどが見られる。秋の草紅葉の頃は、黄金の絨毯の上を木道が延びているように見える。

 

ヨッピ吊り橋〜牛首分岐(三叉) 40〜50分 2.3km

ヨッピ吊り橋はヨッピ川に掛かる橋。
尾瀬ヶ原は周囲の山々の水を集めた巨大な水瓶で、集められた水はヨッピ川となって、下流の只見川へと続く。
夏・秋のヨッピ川は川幅10mに満たないが、春先の雪解け時は水量が増し、ヨッピ橋は通行止めになることがある。通年、水量は豊富で、尾瀬一帯の水を集めて平滑ノ滝では川幅が大きく広がり、三条の滝では瀑布となる。

尾瀬ヶ原を横断した木道は、ヨッピ橋の手前で、牛首分岐〜ヨッピ橋〜東電小屋の木道に突き当たる。
右に折れてヨッピ橋を渡れば東電小屋が近い。
左折して牛首分岐に向う木道は、山裾のうっそうとした林を右に、左に広大な尾瀬ヶ原と遠くの山々を見て歩くワタスゲの多い湿原になる。
初夏はニッコウキスゲが咲き乱れる。
木道左側の池塘は、尾瀬ヶ原向こうの燧ケ岳や対面する山々を映している。
やがて木道は拠水林の木立と湿原を抜け、牛首分岐に達する。

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竜宮十字路〜下田代十字路(見晴十字路) 40〜50分 1.6km

竜宮十字路を燧ケ岳に向って六兵衛堀を直進すると、木立に囲まれた竜宮小屋に達する。小休止のベンチとトイレがある。

竜宮小屋の林を抜け、沼尻川を渡ると、六兵衛堀の広々とした草原が展開し、木道は正面に大きく迫る燧ケ岳の山裾に向って一直線に伸びている。
変化の少ない景色の中を進むと、木道の終点は弥四郎小屋。振り返ると、至仏山が遠くに小さくなって見える。
弥四郎小屋の脇を直進すると、下田代十字路〜段小屋坂〜白砂峠〜白砂田代を経て、尾瀬沼湖畔の沼尻に達する。

弥四郎小屋前の休憩ベンチで冷たい天然水が飲める。

 

下田代十字路(見晴十字路)〜赤田代分岐 15〜20分 0.8km

弥四郎小屋で木道を左折し、赤田代へ向う。
木道の左側は、遠くに至仏山を望む大草原のパノラマ、右側は季節の草花、初夏はミズバショウの群生、木立とその背後の燧ケ岳。

赤田代分岐には休憩ベンチがあり、直進すると、赤田代〜温泉小屋〜段吉新道分岐(左は平滑ノ滝・三条の滝、右は段吉新道)を経て御池へ達する。
赤田代分岐を左折して東電小屋へと向う。

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赤田代分岐〜東電小屋 30〜40分 2.0km

赤田代分岐は尾瀬ヶ原一周コースの最深部。
東電小屋に向う途中で、只見川に掛かる東電尾瀬橋を渡る。ヨッピ川と沼尻川が合流した只見川は川幅は広く水量も豊かになっている。
水量が増した時期は東電尾瀬橋は通行止めになる。通行止めになった場合は、今までの道のりを逆行して戻るしかない。

尾瀬ヶ原一周コースを計画するときは、東電尾瀬橋とヨッピ橋の通行可の確認をとっておかなくてはならない。

東電尾瀬橋を渡ると木道は山裾の木立の中になり、尾瀬ヶ原の景色は断たれる。
20分ほどで東電小屋に着く。休憩ベンチ、トイレがある。ビールやコーヒーの販売あり。

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東電小屋〜ヨッピ橋〜牛首分岐 50〜60分 2.3km

東電小屋を後に、木立に囲まれた山裾の草原の中の木道を15分ほど進むとヨッピ橋に達する。

ヨッピ橋を渡りきると、木道は、牛首分岐へと続いていて、竜宮十字路から尾瀬ヶ原を横断する木道が左手から来て合流する。
道は八海山(背中アブリ山)の裾を右手に山頂を仰ぎ見ながら、左手に尾瀬ヶ原と遠くの山々を見て進む。15分ほど歩くと池塘群に達する。池塘水面に遠くの燧ケ岳が逆さに写して、雄大なパノラマが素晴らしい。

しばらく歩くと道は拠水林の湿地帯に入る。疎林の影と遠くの山並みを映している水辺を抜けると、前方に至仏山が見え始め、左手には竜宮から牛首分岐に合流する木道を歩く人々が見えてくる。
牛首分岐では、至仏山、燧ケ岳、そして尾瀬ヶ原の広大なパノラマを堪能できる。

 

牛首分岐〜山ノ鼻 40分〜50分 2.2km

山ノ鼻へ向う復路は朝とは景色が一変していて、数時間前に同じ景色の中を歩いていたとは思えない。
至仏山がどんどん大きくなり、振り返ると、燧ケ岳が小さくなっていく。

池塘郡で振り返ると、遠くの燧ケ岳を水面に映した姿が美しい。
秋は、陽光の下、黄金色に輝く草紅葉の中で周囲の山々の紅葉を映した池塘郡の景色が、ひときわ素晴らしい。

やがて湿原が狭くなり、林の中に入り、川上側を渡ると、やがて山ノ鼻の小屋が見えてくる。

 

山ノ鼻〜鳩待峠 70分〜80分 3.3km

山ノ鼻ビジターセンターを後にして川上橋を渡り、木立の中を通り、小さな湿原をしばらく歩く。
川上川に接する地点で木道は左折し、鳩待峠への標高差186mの急坂を登ることになる。
尾瀬ヶ原を歩いた後の登り道はきつい。無理をせず、後から続く人に道を譲って先にやり過ごし、小休止を重ねながら、ゆっくり歩いて90分程で鳩待峠に着く。

時間に余裕があれば、鳩待峠の休憩所の風呂や、戸倉・片品の温泉で汗を流して帰りましょう。

木道の水芭蕉 木道脇の紅葉

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